4,500本の梅が、2,000本になった。──いなべ市梅林公園「あわい」で、洗剤を運ぶのをやめた話

4,500本の梅が、2,000本になった。──いなべ市梅林公園「あわい」で、洗剤を運ぶのをやめた話

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三重県いなべ市。鈴鹿山脈のふもとにある梅林公園に、「あわい」という新しい拠点が生まれます。

宿泊、キャンプ、食事、体験。「いかす、あそぶ、ふれる」をコンセプトに、四季折々の里山の暮らしを感じられる場所です。

この施設で、wash-U の取り組みがはじまりました。

ただ、その話をする前に、この公園がいま置かれている状況からお伝えさせてください。


4,500本が、2,000本になった

いなべ市梅林公園は、開園から28年が経ちます。

その28年のあいだに、梅の木の老木化と枯死が進みました。当初4,500本あった木は、いまや2,000本。*残された木も状態は良くありません。

このままでは、梅林公園から梅が消えます。

今回のリニューアルは、その現実から出発しています。運営を担う一般社団法人グリーンクリエイティブいなべは、クラウドファンディングでこう書いています。

消費の場ではなく、次世代につなぐ場へ。
人と自然が、持続的に共存できる公園へ。

観光施設をつくるのではなく、自然を取り戻しながら人が集まる場所をつくる。 生物多様性の保全とネイチャーポジティブを掲げ、地域とともに公園を育てていく。そういうプロジェクトです。

「次世代につなぐ場」で、何で洗うのか

ここで、ひとつの問いが立ちます。

「自然を取り戻そうとしている場所で、毎日どれだけの洗剤が流されるのか。」

人が滞在する場所には、必ず「洗う」がついてきます。客室清掃、食事処の洗い物、キャンプサイトの炊事棟、体験工房の器具洗い。心地よい滞在の裏側には、必ず洗浄という仕事があります。

そしてこれまで、その「洗う」は──洗剤を「買い、運び、使い、容器を捨てる」という構造の上に成り立ってきました。あまりに当たり前で、疑われることのなかった構造です。

けれど、この土地には見過ごせない条件がありました。

- 下水道が未整備で、生活用水は地下水を利用している
- すぐ近くに河川があり、界面活性剤などの流出は極力避けたい
- 地形の特性上、災害時に孤立する可能性がある

排水はどこへ行くのか。外から物が届かなくなったとき、衛生はどう保つのか。

「環境にやさしい洗剤を選ぶ」だけでは、この問いには答えられません。

だからあわいでは、構造そのものを変えることにしました。

「洗浄水を、施設のなかでつくる」

水と、電気と、炭酸カリウム

wash-U は、スーパーアルカリイオン水です。

成分の「99.83%が純水。」合成界面活性剤も、アルコールも使っていません。原料は、水と、電気と、炭酸カリウム。それだけです。

だから、電気と水がある限り、その場でつくり続けられます。

洗剤を1本買うということは、その裏側にある製造・容器・輸送のすべてを買うということです。原料は石油に由来し、価格は世界情勢に揺さぶられ、容器はゴミになり、トラックは何百キロも走ります。

wash-U の地産地消モデルは、その連鎖を断ち切ります。

「どこから買うか」ではなく、「どこでつくるか」。

あわいには、この洗浄水をつくる生成機がすでに設置されています。

あわいで、wash-Uはこう働きます

① 施設の清掃と洗浄をまかなう

宿泊棟「おやど」の客室、食事処「きせつ」、キャンプサイト、トイレまわり。そして、草木染めや梅シロップづくりといった体験のあとの器具洗い。

日常の清掃と洗浄を、この場所でつくった水でまかないます。

二度拭きが要らないこと、においが残らないこと、スタッフの手荒れの心配が少ないこと。毎日使う人にとっては、この積み重ねが大きな違いになります。

② 使い切らない分は、量り売りへ

生成した分のうち、施設で使い切らない量はお客様へ。

あわいオリジナルデザインのボトルをご用意しました。お持ちいただければ、容器を捨てずに何度でも詰められます。

「買って帰る」のではなく、「詰めて帰る」。ゴミの出ないお土産のかたちです。

 ③ 地域の事業者へ

いなべ市内の飲食店や施設へ、タンク単位での供給も進めています。

1か所でつくったものが、地域のなかを回っていく。これが「洗浄の地産地消」です。


そして、普段の設備が、そのまま「備え」になる

wash-U には、もうひとつ大きな特性があります。空気に触れなければ、長期間性能が落ちません。

だから、日常的に使いながら、同時に貯めておくことができます。

災害で物流が止まったとき、避難生活でまず不足するのは水と、そして衛生です。手指、食器、トイレ、におい。感染症は、衛生が崩れたところから広がります。

あわいの生成機は、自家発電と地下水、備蓄した原料があれば動き続けます。避難所や高齢者施設、乳幼児のいるご家庭へ優先的に配る──そんな「衛生ステーション」としての役割を、いなべ市様とともに検討しています。

「普段使っているものが、そのまま非常時の備えになる。」

この考え方を、私たちはフェーズフリーと呼んでいます。防災のために特別な備蓄を積むのではなく、日常の設備がそのまま非常時に機能する。あわいのモデルの、核心にある発想です。

数字で見ると

従来の洗剤モデルとの比較で、次の効果を見込んでいます。

- 洗剤使用量:約70%削減(当社実績比較)
- CO2排出量:約60%削減(洗剤の製造由来・使い捨てボトル・輸送排出量/500km換算)

そして今後、施設周辺の水質(COD/BOD等)の推移を継続的に測定していく予定です。

環境負荷が「ない」ことは、語るだけでは足りません。**測って、示す。** それがこのプロジェクトのもうひとつのテーマです。

梅を植え替え、生きものを守り、次世代につなぐ。その努力の足元で、排水が土と水を汚していては意味がありません。「洗う」は、環境再生の裏方です。

クラウドファンディング、実施中です

いま、あわいでは梅林再生のためのクラウドファンディングが行われています。

目標金額100万円に対し、すでに239%(2,392,700円・168人/2026年8月時点)が集まりました。梅の苗の植樹体験、里山の自然体験、「きせつ」のランチ、「おやど」「はなれ」の宿泊券など、リターンも多彩です。

そのリターンのひとつに、**wash-U マルチクリーナー**も加えていただきました。

あわいで使われているものと同じ洗浄水を、ご自宅で試していただけます。募集は2026年9月30日まで。

▶ [いなべ市梅林公園リニューアルプロジェクト(CAMPFIRE)](https://camp-fire.jp/projects/948770/view)

このモデルは、どこにでも移植できます

あわいの事例は、特別な施設だから成立したわけではありません。必要なのは、「水と、電気と、少量の食品添加物、そして機械を置く場所だけ」です。

- 宿泊施設・キャンプ場:清掃コストの削減と、環境配慮の可視化
- 自治体:災害備蓄と、平時の公共施設の清掃を、ひとつの設備で
- 食品加工・飲食:衛生管理の標準化と、洗剤コストの安定化

洗うことを、外部依存から解放する。

続報について

8月29日、あわいでプレオープンイベント「あわいの夏祭り」が開催されます。グランドオープンは9月4日です。

私たちも現地に入り、生成機が実際に動くところ、施設で使われるところ、量り売りがはじまる瞬間を撮ってきます。

次回はその様子を、写真とともにお伝えします。

wash-U 坂本

 



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